上閉伊酒造|遠野で醸す「國華の薫」「遠野小町」と酒造りを紹介

國華の薫の文字 岩手県の酒蔵

岩手県遠野市にある上閉伊酒造株式会社は、代表銘柄「國華の薫(こっかのかおり)」を手がける酒蔵です。

その歩みは、1789年(寛政元年)に創業した建屋酒造へとさかのぼり、時代の変化を経ながら遠野の地で酒造りを受け継いできました。

現在は、早池峰山系の伏流水や遠野産を中心とした酒米を生かし、南部杜氏の技による日本酒造りを続けています。長く親しまれてきた「國華の薫」に加え、遠野産の米にこだわった「遠野小町」も展開しています。

この記事では、上閉伊酒造の基本情報や建屋酒造から続く歴史、遠野の米と水を生かした酒造り、代表銘柄「國華の薫」と主な日本酒、酒蔵見学や購入方法について紹介します。


上閉伊酒造株式会社は、岩手県遠野市青笹町にある日本酒の酒蔵です。

代表銘柄は「國華の薫(こっかのかおり)」で、このほか「遠野小町」などのブランドも手がけています。

項目内容
酒蔵名上閉伊酒造株式会社
読み方かみへいしゅぞう
所在地岩手県遠野市青笹町糠前31-19-7
前身建屋酒造
前身の創業1789年(寛政元年)
会社設立1944年(昭和19年)
代表銘柄國華の薫
主なブランド國華の薫、遠野小町
主な特徴遠野産を中心とした酒米、早池峰山系の伏流水、南部杜氏の技を生かした酒造り
酒蔵見学事前予約制とする案内あり ※詳細は問い合わせ中
現地販売※問い合わせ中
購入方法公式オンラインショップ、取扱店など

上閉伊酒造を代表する日本酒が、「國華の薫(こっかのかおり)」です。

国税庁の酒蔵マップでは「国華の薫」と掲載されていますが、現在の公式サイトや商品では、旧字体を使った「國華の薫」という表記が用いられています。

「國華の薫」には、純米酒や大吟醸酒、純米大吟醸酒など、酒質の異なる商品がそろっており、上閉伊酒造の中心となる銘柄として展開されています。

また、同蔵では「遠野小町」というブランドも手がけています。

「國華の薫」が長く受け継がれてきた代表銘柄であるのに対し、「遠野小町」は、遠野という土地をより前面に打ち出したブランドとして展開されています。

それぞれ異なる役割を持つ二つのブランドが、現在の上閉伊酒造の日本酒を形づくっています。


上閉伊酒造の歴史は、1789年(寛政元年)に創業した建屋酒造へとさかのぼります。

遠野の地で始まった酒造りは、その後150年以上にわたって続き、1944年(昭和19年)には戦時下の企業整備によって、上閉伊郡内の酒造業者が合同する形で上閉伊酒造株式会社が設立されました。

戦後は分社などを経ながら酒造りを続け、1956年(昭和31年)には現在の遠野市青笹町へ酒蔵を移しています。

その後も日本酒造りを続ける一方で、1999年にはクラフトビール「遠野麦酒ZUMONA」の醸造を開始しました。

さらに2020年には、新たなブランド「遠野小町」を立ち上げるなど、時代に合わせながら酒造りの幅を広げています。


上閉伊酒造では、岩手県産や遠野産の酒米、早池峰山系の伏流水を生かした酒造りが行われています。

酒米には、岩手県が開発した「結の香」をはじめ、「美山錦」や「吟ぎんが」などが使われています。商品によって使用する米を変えながら、それぞれの特徴を生かした日本酒が仕込まれています。

仕込み水には、早池峰山系からもたらされる軟水の伏流水を使用。冬の厳しい寒さのなかで低温発酵を進める寒造りによって、香りや旨味をゆっくりと引き出しています。

酒造りを担うのは、南部杜氏の佐々木勝喜氏です。上閉伊酒造で経験を重ねたのち南部杜氏となり、原料となる米の状態を見極めながら仕込みに向き合っています。

遠野の自然が育む米と水、寒冷な気候、そして南部杜氏の技が重なり、上閉伊酒造の日本酒が造られています。


上閉伊酒造では、「國華の薫」や「遠野小町」から、原料米や酒質の異なる日本酒が造られています。

ここでは、「國華の薫 純米大吟醸 結の香」「國華の薫 大吟醸 山田錦」「遠野小町 純米大吟醸 美山錦」の3本を紹介します。


國華の薫 純米大吟醸 結の香

「國華の薫 純米大吟醸 結の香」は、岩手県が吟醸酒向けに開発した酒造好適米「結の香」を使用した純米大吟醸です。

精米歩合40%まで磨いた米を使い、透明感のある口当たりと穏やかな吟醸香、米由来のやさしい甘みが余韻に広がる味わいに仕上げられています。

Kura Masterでは2018年から2020年まで3年連続でプラチナ賞を受賞し、2025年の東北清酒鑑評会でも優等賞に選ばれています。岩手生まれの酒米「結の香」の特徴を生かした一本です。


國華の薫 大吟醸 山田錦

「國華の薫 大吟醸 山田錦」は、酒造好適米「山田錦」を精米歩合40%まで磨いて仕込んだ大吟醸です。

華やかで品のある香りと、軽やかですっきりとした味わいが特徴。純米大吟醸の「結の香」とは原料米や造りが異なり、大吟醸ならではの香りの広がりを楽しめます。

2020年のインターナショナル・ワイン・チャレンジでは大吟醸部門のトロフィーを受賞し、2025年の東北清酒鑑評会でも優等賞に選ばれています。


遠野小町 純米大吟醸 美山錦

「遠野小町 純米大吟醸 美山錦」は、遠野産の「美山錦」を100%使用した純米大吟醸です。

精米歩合は50%。美山錦の繊細な香りと軽やかですっきりとした味わいに、長期熟成による吟醸香と麹由来のやさしい甘みが重なります。

遠野産美山錦の持ち味を生かした、「遠野小町」を代表する一本です。


上閉伊酒造の酒蔵見学については、事前予約制とする案内があります。

見学できる曜日や時間、所要時間、試飲の有無、酒造りの時期における受け入れ状況などについては、現在、酒蔵へ直接問い合わせています。

また、酒蔵で日本酒を購入できるかどうかについても確認中です。

オンラインでは、上閉伊酒造の公式ショップから「國華の薫」や「遠野小町」などの商品を購入できます。このほか、取扱酒販店や通販サイトなどでも商品を探すことができます。


上閉伊酒造には、遠野という土地とともに酒造りを続けてきた時間の積み重なりがあります。

長く親しまれてきた「國華の薫」を守りながら、「遠野小町」やクラフトビールといった新しい取り組みにも歩みを広げてきました。

昔から続くものと、新しく生まれるもの。その両方を遠野の地で育てているところに、上閉伊酒造らしさがあります。

一本の日本酒を手に取ることが、この酒蔵と遠野の風土に触れるきっかけになるかもしれません。

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