酔仙酒造|気仙の酒造りを受け継ぐ「酔仙」と大船渡蔵を紹介

酔仙の文字 岩手県の酒蔵

岩手県大船渡市にある酔仙酒造株式会社は、代表銘柄「酔仙」を手がける酒蔵です。

1944年、気仙地方にあった8軒の造り酒屋が一つになって誕生し、地域の風土や食文化に寄り添う酒造りを受け継いできました。

2011年の東日本大震災では、陸前高田市にあった酒蔵が大きな被害を受けましたが、その後、大船渡市に新しい蔵を構え、酒造りを再開しています。

現在は、氷上山の伏流水や軽快な麹づくりを生かした酒造りを続けています。

この記事では、酔仙酒造の基本情報や歴史、酒造りの特徴、代表銘柄「酔仙」と主な日本酒、酒蔵見学や購入方法について紹介します。


酔仙酒造株式会社は、岩手県大船渡市に製造場を構える日本酒の酒蔵です。

本社は陸前高田市にあり、日本酒の醸造は大船渡市の大船渡蔵で行われています。

項目内容
酒蔵名酔仙酒造株式会社
読み方すいせんしゅぞう
本社所在地岩手県陸前高田市高田町字大石1-1
製造場岩手県大船渡市猪川町字久名畑136-1
設立1944年(昭和19年)
代表銘柄酔仙
主な商品酔仙、雪っこなど
主な特徴氷上山の伏流水と軽快な麹づくりを生かした酒造り
酒蔵見学大船渡蔵で事前予約制
直売所・試飲直売所あり。酒蔵見学時に試飲と購入が可能
購入方法直売所、公式オンラインストア、取扱店など

現在の製造拠点である大船渡蔵は、東日本大震災後に建てられた酒蔵です。

国税庁の酒蔵マップにも、大船渡市で日本酒を造る製造場として掲載されており、主な銘柄には「酔仙」が挙げられています。


酔仙酒造を代表する日本酒が、酒蔵名にも使われている「酔仙」です。

国税庁の酒蔵マップにも主な銘柄として掲載されており、純米酒や純米吟醸酒、大吟醸酒など、酒質の異なる商品が造られています。

創業当初は、地域名を冠した「気仙」という銘柄が使われていました。その後、地元出身の画家・佐藤華岳斎が酒を味わい、「酔うて仙境に入るが如し」と評したことから、「酔仙」へ改めるよう勧めたと伝えられています。

こうして生まれた「酔仙」という名は、代表銘柄だけでなく、現在の会社名にも受け継がれました。

このほか、酔仙酒造では、冬期限定の「活性原酒 雪っこ」なども手がけています。


酔仙酒造の歩みは、1944年(昭和19年)に始まります。

戦時中の企業整備により、気仙地方にあった8軒の造り酒屋が一つになり、「気仙酒造」として設立されました。その後、代表銘柄と会社名に「酔仙」の名が受け継がれ、陸前高田市で歩みを重ねていきます。

長年にわたり、地域の食事とともに親しまれる日本酒を造りながら、気仙地方に根ざしてきました。

しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災により、陸前高田市にあった酒蔵は津波で流失します。建物や醸造設備、保管されていた商品を失い、従業員にも犠牲者が出る大きな被害を受けました。

それでも、酔仙酒造は酒造りを途絶えさせませんでした。奥州市にある岩手銘醸の協力を受けて設備を借り、震災から約半年後には日本酒の醸造を再開します。

その後、大船渡市に新しい酒蔵を建設し、2012年から現在の大船渡蔵で仕込みを始めました。気仙地方で受け継がれてきた酒造りは、陸前高田から大船渡へと場所を移しながら、現在へつながっています。


酔仙酒造が目指しているのは、口に含んだときに強い重さを残さず、食事とともに楽しめる「きれいな酒」です。

その酒質を支えているのが、大船渡蔵で使われる氷上山の伏流水です。新しい酒蔵を建設する際には水源調査が行われ、水量と水質の両方に納得できる場所として、現在の大船渡蔵が選ばれました。

仕込み水は癖が少なく、程よい硬度を備えています。洗米や浸漬、仕込みに使われ、すっきりとした味わいの土台となっています。

もう一つの特徴が、「重くない軽快な麹づくり」です。

麹づくりの前半では必要な湿度を保ち、後半になると麹米を乾かしていきます。米粒同士が離れやすい「サバけ」のよい麹を目指すことで、雑味を抑えた酒質へと整えています。

氷上山の水と、サバけのよい麹づくり。この二つを生かしながら、酔仙酒造では、すっきりと食事に合わせやすい日本酒を醸しています。


酔仙酒造では、代表銘柄「酔仙」を冠した日本酒を中心に、酒質や味わいの異なる商品が造られています。

ここでは、通年販売されている「純米吟醸 酔仙」と「酔仙の純米酒」に加え、冬期限定の「活性原酒 雪っこ」を紹介します。


純米吟醸 酔仙

「純米吟醸 酔仙」は、岩手県が開発した酒造好適米「結の香」を50%まで磨いて仕込んだ純米吟醸酒です。

低温発酵による穏やかな吟醸香に、純米酒らしい旨味とふくらみが調和しています。

アルコール度数は16度、味わいは淡麗中口。通年で販売されており、酔仙酒造が目指す「きれいな酒」を感じられる一本です。


酔仙の純米酒

「酔仙の純米酒」は、古くから親しまれてきた魚のラベルが目印の定番商品です。

岩手県産米を使用し、精米歩合70%で仕込まれています。米の旨味と酸味、口の中に広がるふくらみが調和した芳醇中口の純米酒です。

アルコール度数は15度で、こちらも通年販売されています。米の旨味を生かした、日々の食事に合わせやすい一本です。


活性原酒 雪っこ

「活性原酒 雪っこ」は、毎年10月から翌年3月末ごろまで販売される冬期限定の日本酒です。

酵母や酵素が生きたままの活性原酒で、白くにごった見た目と、とろりとした口当たりを特徴としています。岩手県産米を精米歩合70%で使用し、まろやかな甘味を感じられる甘口に仕上げられています。

アルコール度数は20度と一般的な日本酒より高いため、少量ずつ味わうほか、氷を浮かべたり、炭酸水などで割ったりして楽しむこともできます。

1970年の発売以来、半世紀以上にわたって親しまれてきた、酔仙酒造を象徴する季節商品です。

なお、姉妹品として、うっすらとにごりを残しながら、すっきりと飲みやすく仕上げた「純米うすにごり 雪っこ」も展開されています。こちらは夏向けの「雪っこ」として販売され、冬期限定の活性原酒とは異なる味わいに仕上げられています。


酔仙酒造では、大船渡市にある大船渡蔵の見学を受け付けています。

見学は事前予約制で、料金は無料です。土日・祝日を除く平日の午前9時から午後4時まで対応しており、所要時間は約1時間。酔仙酒造の歴史や酒造りについて、パネルなどを使った説明を受けられます。

予約は、電話または公式サイトの問い合わせフォームから申し込みます。1名から30名まで案内可能とされていますが、人数や希望日時、当日の案内内容については予約時に確認しておくとよいでしょう。大船渡蔵には駐車場も用意されています。

酒蔵見学では、日本酒の試飲と購入ができます。大船渡蔵には直売所も設けられているため、見学とあわせて酔仙酒造の商品を選べるのも特徴です。

このほか、酔仙酒造の日本酒は、公式オンラインストアや各地の取扱店でも購入できます。

「純米吟醸 酔仙」と「酔仙の純米酒」は通年販売されていますが、「活性原酒 雪っこ」は冬期限定です。商品によって販売時期や在庫状況が異なります。


酔仙酒造の日本酒には、気仙地方で受け継がれてきた酒造りと、大船渡の地で新たに重ねられている歩みが息づいています。

食事とともにゆっくり楽しみたい「酔仙」と、冬の訪れを感じさせる「活性原酒 雪っこ」。同じ酒蔵から生まれる日本酒でありながら、それぞれに異なる表情を味わえるのも酔仙酒造の魅力です。

岩手の日本酒を選ぶ機会があれば、気仙の土地へ思いを寄せながら、酔仙酒造の一杯を楽しんでみてはいかがでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました