菊の司酒造|雫石の酒蔵が醸す「菊の司」「七福神」と酒造りを紹介

七福神の文字 岩手県の酒蔵

岩手県岩手郡雫石町にある菊の司酒造株式会社。

1772年に酒造業を始めた歴史ある酒蔵で、紫波町や盛岡市で受け継いできた酒造りを、2022年から雫石町の新しい酒蔵へとつないでいます。

代表銘柄は、酒蔵名と同じ「菊の司」と、国税庁の酒蔵マップにも掲載されている「七福神」です。

さらに、無濾過生原酒の「innocent」シリーズなど、現在の酒造りを感じられる日本酒も手がけています。

雫石の酒蔵では、岩手山の伏流水や岩手県産の酒米を生かし、低温発酵や素材の風味を大切にした酒造りに取り組んでいます。

この記事では、菊の司酒造の基本情報や歴史、代表銘柄「菊の司」「七福神」、雫石での酒造り、主な日本酒、見学・直売所・購入方法について紹介します。


菊の司酒造株式会社は、岩手県岩手郡雫石町にある日本酒の酒蔵です。

代表銘柄は「菊の司」と「七福神」で、このほかに無濾過生原酒の「innocent」シリーズも手がけています。

「菊の司酒造」は会社名・酒蔵名、「菊の司」「七福神」は日本酒の銘柄名として整理するとわかりやすいでしょう。

項目内容
酒蔵名菊の司酒造株式会社
読み方きくのつかさしゅぞう
所在地岩手県岩手郡雫石町長山狼沢11-1
酒造業の開始1772年・安永年間
代表銘柄菊の司、七福神
主なシリーズ菊の司、七福神、innocent
主な特徴岩手山の伏流水、岩手県産酒米、低温発酵、素材の風味を生かした酒造り
直売所酒蔵併設ショップあり
酒蔵見学現在の実施状況は要確認

菊の司酒造は、2022年に本社と工場を盛岡市から雫石町へ移転しました。

国税庁の酒蔵マップには、菊の司酒造の代表銘柄として「七福神」が掲載されています。


菊の司酒造の中心となる銘柄が、「菊の司」と「七福神」です。

酒蔵名をそのまま冠した「菊の司」には、純米酒や純米吟醸酒、純米大吟醸酒などがそろい、菊の司酒造を知る入口となるブランドとして受け継がれています。

それに対して「七福神」は、長く親しまれてきた代表銘柄のひとつです。

国税庁の酒蔵マップにも掲載されており、菊の司酒造を語るうえで欠かせない存在となっています。

さらに、無濾過生原酒を展開する「innocent」シリーズも手がけています。

精米歩合の違いによってそれぞれに個性があり、「菊の司」や「七福神」とは異なる表情を感じられるシリーズです。

受け継がれてきた二つの銘柄に「innocent」が加わり、菊の司酒造では、伝統的な銘柄から無濾過生原酒まで幅広い日本酒が造られています。


菊の司酒造の歩みは、元和年間に初代・平井六右衛門が伊勢松坂から現在の紫波町日詰へ移り、家業を始めたことにさかのぼります。

酒造業を始めたのは1772年・安永年間。

その後は明治初期に盛岡へ進出し、長く市内で酒造りを続けてきました。

1968年に現在の「菊の司酒造株式会社」へ社名を改め、1975年には石鳥谷で「七福神」を造っていた箱庄酒造店と合併します。

これにより、それぞれ異なる歴史を持つ「菊の司」と「七福神」が、同じ酒蔵で受け継がれるようになりました。

2021年には事業が株式会社公楽へ譲渡され、翌2022年に本社と工場を盛岡市から雫石町へ移転。

長く盛岡で続いてきた酒造りは、この移転を機に、雫石という新たな土地で次の歩みを始めています。


雫石町に移転した現在の菊の司酒造では、岩手山の自然に育まれた伏流水と、岩手県産の酒米を生かして日本酒を造っています。

使用する酒米は、「結の香」「吟ぎんが」「ぎんおとめ」など。

いずれも岩手県で育成された酒造好適米で、目指す酒質に合わせて使い分けられています。

水と米の両方に岩手の素材を取り入れることは、雫石で酒造りを続ける菊の司酒造にとって大切な土台です。

冷涼な気候に恵まれた雫石は、低温でじっくりと発酵を進める酒造りにも適しています。

新しい酒蔵では温度管理された設備を活用しながら、香りだけが強くなりすぎないよう、味わいとの調和を意識して仕上げています。

また、活性炭によるろ過を抑え、米や発酵から生まれる風味を残す酒造りにも取り組んでいます。

商品によって製法は異なりますが、素材の持ち味を生かそうとする姿勢は、現在の菊の司酒造に共通する特徴といえるでしょう。

2022年に完成した雫石の酒蔵では、新しい設備と受け継がれてきた技術を組み合わせながら、現在の環境に合った酒造りが続けられています。


菊の司酒造では、「七福神」「菊の司」「innocent」から、それぞれ異なる個性を持つ日本酒が造られています。

ここでは、それぞれ異なる米や製法を生かした三本を紹介します。


純米大吟醸 てづくり七福神

「純米大吟醸 てづくり七福神」は、岩手県産の酒造好適米「吟ぎんが」を使用した日本酒です。

米を50%まで磨き、華やかな香りとすっきりとした味わいの調和を目指して仕上げられています。

国税庁の酒蔵マップに掲載されている「七福神」の名を冠した、菊の司酒造を知るうえで押さえておきたい一本です。


菊の司 純米大吟醸 結の香仕込

「菊の司 純米大吟醸 結の香仕込」は、岩手県が大吟醸酒向けに開発した酒造好適米「結の香」を使用しています。

米を40%まで磨き、低温でじっくりと発酵させることで、香りと味わいのバランスを整えています。

岩手県産米の特徴を生かした、菊の司ブランドの純米大吟醸です。


kikunotsukasa innocent 50

「kikunotsukasa innocent 50」は、岩手県産米を50%まで磨いて造られる純米吟醸の無濾過生原酒です。

活性炭によるろ過や加水、火入れを行わず、米や発酵によって生まれた風味を残した仕上がりです。

生原酒らしい厚みを持ちながら、後味には軽やかさも感じられる一本です。


雫石町の菊の司酒造には、酒蔵に併設されたショップがあります。

店内では「菊の司」や「七福神」をはじめ、酒蔵で造られている日本酒や関連商品を購入できます。

店頭では取扱商品を直接確認できるため、雫石を訪れた際に立ち寄る楽しみのひとつになるでしょう。

酒蔵見学については、国税庁の資料で「要予約」と案内されている一方、観光情報には見学できないとする記載もあり、現在の実施状況を断定できません。

見学を希望する場合は、訪問前に菊の司酒造へ確認しておくと安心です。

現地を訪れるのが難しい場合は、公式オンラインショップを利用できます。

商品によっては岩手県内外の酒販店や、楽天市場などの通販サイトでも取り扱われています。

目当ての銘柄が決まっている場合は、在庫や取扱状況を確認しながら、利用しやすい購入先を選ぶとよいでしょう。


長く受け継がれてきた銘柄を守りながら、新しい土地で次の酒を生み出していく。

菊の司酒造の歩みからは、受け継ぐことと新しく変わっていくことが、自然につながっているように感じられます。

「菊の司」や「七福神」には、酒蔵が重ねてきた時間が息づいています。

一方で、「innocent」のようなシリーズからは、雫石の環境と新しい設備を生かし、これからの酒造りへ進もうとする姿も見えてきます。

受け継がれてきた名前や技術に、岩手山の水や県産米、雫石の気候が重なることで、菊の司酒造の日本酒は新たな表情を見せています。

一本の酒を味わうとき、その背景にある歴史と土地の変化にも思いを巡らせてみると、杯の中に感じるものが少し深まるかもしれません。

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