浜千鳥|釜石で醸す「浜千鳥」と岩手の米・水を生かした酒造りを紹介

浜千鳥の文字 岩手県の酒蔵

岩手県釜石市にある株式会社浜千鳥は、代表銘柄「浜千鳥」を手がける酒蔵です。

1923年(大正12年)に創業し、現在は地域の水や岩手県産の酒米、南部杜氏の技を生かしながら、釜石の地で酒造りを続けています。

代表銘柄「浜千鳥」を中心に、岩手の原料を生かした日本酒や、隣接する大槌町とのつながりから生まれた酒も手がけています。

この記事では、浜千鳥の基本情報や歴史、釜石の水と岩手の米を生かした酒造り、代表銘柄「浜千鳥」と主な日本酒、酒蔵見学や購入方法について紹介します。


株式会社浜千鳥は、岩手県釜石市小川町にある日本酒の酒蔵です。

代表銘柄は、酒蔵名と同じ「浜千鳥」。このほか、「仙人郷」や「源水」、本格米焼酎「纜(ともづな)」なども手がけています。

項目内容
酒蔵名株式会社 浜千鳥
読み方はまちどり
所在地岩手県釜石市小川町3丁目8番7号
創業1923年(大正12年)
旧社名株式会社釜石酒造商会
代表銘柄浜千鳥
主な銘柄・酒類浜千鳥、仙人郷、源水、本格米焼酎「纜」など
主な特徴地域の水や岩手県産米、南部杜氏の技を生かした酒造り
酒蔵見学営業日の14時以降、担当者の都合が合えば対応。要事前相談
見学不可日土日祝日
所要時間約1時間
見学料金1,000円コース/3,000円コース
試飲あり
受入人数最大15名程度
直売所なし(酒蔵での店頭販売は行っていない)
購入方法公式オンラインショップ、取扱店など

国税庁の酒蔵マップでも、釜石市にある株式会社浜千鳥の代表銘柄として「浜千鳥」が掲載されています。


株式会社浜千鳥を代表する日本酒が、酒蔵名と同じ「浜千鳥」です。

国税庁の酒蔵マップにも主な銘柄として掲載されており、純米酒や純米吟醸酒、純米大吟醸酒など、酒質の異なる商品が造られています。

そのほか、「仙人郷」や「源水」といった銘柄も展開しており、代表銘柄「浜千鳥」を中心に、さまざまな日本酒を手がけています。


浜千鳥の歴史は、1923年(大正12年)に「釜石酒造商会」として創業したことから始まります。

創業地は現在の釜石市只越町付近で、釜石の地で酒造りを続けながら歩みを重ねてきました。その後、1941年(昭和16年)には企業合同によって上閉伊地区の酒蔵がまとまり、上閉伊酒造の釜石工場となります。

転機を迎えたのは1956年(昭和31年)です。上閉伊酒造から分離独立し、再び株式会社釜石酒造商会として酒造りを続けることになりました。

さらに1968年(昭和43年)には、より良い水を求めて現在の釜石市小川町へ社屋と酒造工場を移転します。酒造りに欠かせない水を重視したこの移転は、現在の浜千鳥につながる大きな節目となりました。

そして2003年(平成15年)、代表銘柄と同じ「株式会社浜千鳥」へ社名を変更。創業時から受け継いできた酒造りを土台に、現在も釜石の地で日本酒を醸しています。

小川町への移転によって得られた水は、現在の浜千鳥の酒造りにも受け継がれています。


浜千鳥の酒造りを支えているのは、釜石の自然に育まれた水と岩手の米、そしてこの土地に受け継がれてきた酒造りの技です。

仕込み水には、北上山地系・仙磐山の伏流水を使用しています。年間を通して水量や水質が安定した軟水で、1968年(昭和43年)に現在の小川町へ酒蔵を移した背景にも、この水の存在がありました。

一方、「仙人郷」には、釜石鉱山の地下から湧き出す「仙人秘水(せんにんひすい)」が使われています。同じ浜千鳥が手がける酒でも、商品によって異なる水を生かしている点が特徴です。

酒米には、山田錦や美山錦のほか、岩手県オリジナルの酒造好適米「吟ぎんが」や「結の香」などを使用しています。なかでも「吟ぎんが」は隣接する大槌町でも栽培されており、浜千鳥は地域の生産者と関わりながら酒米づくりにも取り組んできました。

さらに、岩手県オリジナルの酵母や麹菌を組み合わせ、南部杜氏の技で醸す「オールいわて」の酒造りも行われています。米だけでなく、酵母や麹菌、造り手の技まで岩手につながる酒造りです。

こうした取り組みは酒蔵の中だけで完結するものではありません。大槌町の酒米生産者との交流や、田植えから稲刈り、仕込み、しぼりまでを体験する「酒造り体験塾」などを通して、酒を造る人と米を育てる人、地域の人々とのつながりも育まれています。


浜千鳥では、代表銘柄「浜千鳥」を中心に、岩手県産の酒米や地域の水を生かした日本酒が造られています。

ここでは、その中から「浜千鳥 純米大吟醸 結の香」「浜千鳥 純米吟醸 吟ぎんが」「源水 純米大吟醸」の3本を紹介します。


浜千鳥 純米大吟醸 結の香

「浜千鳥 純米大吟醸 結の香」は、岩手県で開発された酒造好適米「結の香」を使用した純米大吟醸酒です。

結の香を40%まで磨き、酵母には岩手県オリジナルの「ジョバンニの調べ」を使用しています。花を思わせるやさしい香りに、上品な甘みとふくらみのある口当たりが特徴です。

東北清酒鑑評会をはじめ、国内外の鑑評会や日本酒コンテストで受賞歴を重ねています。


浜千鳥 純米吟醸 吟ぎんが

「浜千鳥 純米吟醸 吟ぎんが」は、岩手県の酒造好適米「吟ぎんが」を使った純米吟醸酒です。

酵母には岩手県オリジナルの「ゆうこの想い」、麹菌には岩手県で開発された「黎明平泉」を使用。岩手の米、酵母、麹菌と南部杜氏の技を組み合わせた「オールいわて」の清酒として造られています。

精米歩合は麹米50%、掛米55%。香りが立ち、口当たりにふくらみがあり、やや辛口の酒として紹介されています。


源水 純米大吟醸

「源水 純米大吟醸」は、大槌町の米と水を生かして造られる地域おこし酒「源水」の純米大吟醸です。

原料米には、大槌酒米研究会が栽培した大槌町産「吟ぎんが」を使用。源水地区と水源を同じくする田んぼで育てられた米を50%まで磨いています。

仕込み水には、大槌町源水地区の地下40メートルから汲み上げた湧水を使用し、岩手県オリジナル酵母「ゆうこの想い」や岩手県オリジナルの種麹菌も取り入れています。

口に含むと果実を思わせる香りが広がり、やさしい甘みとふくらみを感じられる酒として紹介されています。


浜千鳥では、営業日の14時以降に、担当者の都合が合えば酒蔵見学を受け付けています。土日祝日は見学を行っていないため、希望する場合はあらかじめ日程を伝えて相談する必要があります。

所要時間は約1時間で、見学料金は2つのコースが用意されています。

1,000円コースでは、本醸造180mlと木枡がお土産として付き、3,000円コースでは、季節の720mlと木枡が用意されます。どちらのコースでも試飲が可能です。

なお、小規模な酒蔵のため、受け入れ人数は最大15名程度となっています。複数人で訪れる場合は、人数もあわせて事前に伝えておくとよいでしょう。

浜千鳥には酒蔵併設の店舗がなく、現地での店頭販売は行っていません。

商品は、釜石市や大槌町周辺をはじめとする取扱店のほか、公式オンラインショップなどから購入できます。商品によって取り扱い状況が異なる場合があるため、購入前に確認しておくとよいでしょう。


浜千鳥を知ると、一本の日本酒の背景に、釜石の自然だけでなく、大槌町を含む三陸の土地や人とのつながりが重なっていることが見えてきます。

酒米を育てる人、酒を醸す人、それを支える水や風土。それぞれが別々に存在するのではなく、地域の中で結びつきながら浜千鳥の酒造りを形づくっています。

釜石や三陸の日本酒に触れる機会があれば、その土地でどのように酒が生まれているのかにも目を向けてみると、味わう時間が少し違って感じられるかもしれません。

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