あさ開|盛岡の老舗酒蔵が醸す代表銘柄と南部杜氏の酒造りを紹介

あさ開の文字 岩手県の酒蔵

岩手県盛岡市にある株式会社あさ開。

代表銘柄の「あさ開」は、明治4年の創業以来、盛岡の地で受け継がれてきた酒造りを今に伝える日本酒です。

創業者は、南部藩士だった七代目・村井源三。明治維新を機に武士から酒造家へと歩みを変え、新しい時代への船出を重ねるように「あさ開」と名付けました。

現在も、南部杜氏の技を受け継ぎながら、伝統的な手造りと近代設備を生かした酒造りを続けています。

この記事では、あさ開の基本情報や歴史、酒造りの特徴、代表銘柄「あさ開」の主な日本酒、酒蔵見学や購入方法について紹介します。


あさ開の基本情報

株式会社あさ開は、岩手県盛岡市大慈寺町にある日本酒の酒蔵です。

代表銘柄は、酒蔵名と同じ「あさ開」です。

項目内容
酒蔵名株式会社あさ開
読み方あさびらき
所在地岩手県盛岡市大慈寺町10番34号
創業1871年(明治4年)
創業者七代目・村井源三
代表銘柄あさ開
主な特徴南部杜氏の技、伝統的な手造りと近代設備を生かした酒造り
酒蔵見学事前予約制
直売施設あさ開地酒物産館

あさ開が蔵を構える盛岡市は、岩手県の県庁所在地です。

酒蔵のある大慈寺町や鉈屋町周辺には、城下町として栄えた盛岡の面影が残っています。


株式会社あさ開では、酒蔵名と同じ「あさ開」を代表銘柄として、日本酒を造っています。

「あさ開」には、純米酒や純米吟醸酒、純米大吟醸酒、本醸造酒など、酒質の異なる商品がそろっています。

日々の食事に合わせやすいものから、贈り物や特別な日に選びたい上位酒まで、幅広く展開されています。

国税庁の酒蔵マップでも、株式会社あさ開の主な銘柄として「あさ開」が掲載されています。

「あさ開」は、酒蔵の歩みとともに受け継がれてきた代表銘柄です。


あさ開の創業は、1871年(明治4年)にさかのぼります。

酒造りを始めたのは、南部藩士だった七代目・村井源三です。

明治維新によって社会が大きく変わるなか、村井源三は武士としての身分を離れ、盛岡市鉈屋町で酒造業を始めました。

創業当時の屋号は「村井本家」で、ここから現在のあさ開へと続く歩みが始まります。

代表銘柄であり、酒蔵名にもなっている「あさ開」は、船が朝早く港を出る様子を表す言葉です。

万葉集に収められた和歌に由来し、武士から酒造家へ転じた村井源三の新たな船出と、明治という時代の幕開けを重ねて名付けられたと伝えられています。

大きな時代の変化を受け入れ、新しい道へ踏み出した創業者の思いは、「あさ開」という名前の中に今も残されています。

その後も盛岡の地で酒造りは受け継がれ、「あさ開」の名とともに現在へつながっています。


あさ開では、岩手県に受け継がれてきた南部杜氏の技を生かしながら、日本酒を造っています。

南部杜氏は、岩手県を発祥とする杜氏集団です。

長い歴史のなかで培われた知識や技術は、県内外の酒蔵へ広がり、日本酒造りを支えてきました。

あさ開でも、歴代の杜氏や蔵人によって、その技が受け継がれています。

酒造りの中心となる「昭和旭蔵」では、伝統的な手造りの工程と、設備を活用した近代的な製造工程の両方を取り入れています。

少量を丁寧に仕込む手造りの良さを守りながら、安定した品質を支える設備も生かしていることが、あさ開の酒造りの特徴です。

こうして磨かれてきた技術は、全国新酒鑑評会をはじめとする各種鑑評会でも評価を重ねてきました。

受け継がれてきた技と設備の両方が、現在の酒造りを支えています。


あさ開では、純米酒や純米吟醸酒、純米大吟醸酒、本醸造酒など、幅広い日本酒が造られています。

ここでは、そのなかから使用する酒米の異なる3本の純米大吟醸を紹介します。

取り上げるのは、酒米の代表格として知られる山田錦と、岩手県で開発された結の香、吟ぎんがを使った日本酒です。

同じ純米大吟醸でも、原料となる酒米によって香りや味わいの印象は異なります。

それぞれの特徴に目を向けながら、あさ開の酒造りを見ていきましょう。


あさ開 純米大吟醸 極上 旭扇-山田錦-

「極上 旭扇-山田錦-」は、兵庫県産の山田錦を100%使用し、精米歩合40%まで磨いて仕込まれた純米大吟醸です。

仕込みには、平成の名水百選に選ばれた盛岡の「大慈清水」が使われています。

弱軟水によるまろやかな口当たりと、ふわりと広がる華やかな香り、透明感のある味わいが特徴です。

飲み込んだ後には、心地よい余韻が続きます。

令和7酒造年度の全国新酒鑑評会では金賞を受賞しており、南部杜氏の技を生かした、あさ開の上位酒として位置づけられる一本です。

冷やしてワイングラスなどに注ぐと、華やかな香りを感じやすくなります。

白身魚の刺身や、塩で味わう天ぷらなど、素材の持ち味を生かした繊細な料理と合わせたい日本酒です。


あさ開 純米大吟醸 結の香仕込み

「結の香仕込み」は、岩手県で約10年をかけて開発された酒造好適米「結の香」を100%使用した純米大吟醸です。

結の香を精米歩合40%まで磨き、雑味の少ない、すっきりとした酒質に仕上げています。

やわらかな香りとまろやかな甘みがあり、全体には澄んだ印象を感じられる一本です。

岩手県産の米と県内の水を使って醸された酒として、「GI岩手」の認定も受けています。

よく冷やしすぎず、少し温度を戻しながら味わうと、穏やかな甘みを感じやすくなります。

ホタテの刺身や白身魚のカルパッチョ、だしを生かした煮物など、味付けのやさしい料理と合わせやすい日本酒です。


あさ開 純米大吟醸 吟ぎんが仕込み

「吟ぎんが仕込み」は、岩手県産の酒造好適米「吟ぎんが」を100%使用した純米大吟醸です。

精米歩合は50%。さわやかでフルーティーな香りと、大慈清水によるやわらかくまろやかな甘みを楽しめます。

「吟ぎんが仕込み」も、岩手の風土と酒造りを伝える「GI岩手」の認定商品です。

華やかさがありながら親しみやすく、吟ぎんがの持ち味を感じられる一本です。

香りを楽しむなら、冷やしてワイングラスに注ぐのもよいでしょう。

エビやホタテを使った料理、鶏肉の塩焼き、クリームチーズなどと合わせると、やわらかな甘みや香りが引き立ちます。

山田錦、結の香、吟ぎんが。

酒米にも目を向けることで、3本それぞれの個性が見えやすくなります。


あさ開では、事前予約制で酒蔵見学を受け入れています。

見学コースでは、酒造りの中心となる「昭和旭蔵」をはじめ、瓶詰めやラベル貼りなどを行う製品工場、敷地内の地酒物産館を巡ります。

昭和旭蔵では、伝統的な手造りと設備を活用した近代的な製造工程に触れられ、製品工場では、日本酒が瓶に詰められて商品として仕上がっていく様子を見ることができます。

ただし、当日の製造状況によって、見学できる工程は異なります。

酒蔵見学は無料で、予約は原則として希望日の1週間前までに必要です。

1週間を切っている場合は、あさ開地酒物産館への電話問い合わせが必要です。

見学後に立ち寄りたいのが、敷地内にある「あさ開地酒物産館」です。

館内では、定番酒や季節限定酒、蔵元ならではの日本酒をはじめ、その場で瓶詰めする酒、岩手県産の珍味、酒器などが販売されています。

無料試飲も用意されているため、味わいを確かめながら、自分に合った一本を探せるのも魅力です。

地酒物産館の営業時間や見学の実施状況は変更されることがあるため、訪問前には公式サイトのお知らせを確認し、必要に応じて問い合わせておくと安心でしょう。

あさ開の日本酒は、地酒物産館のほか、公式オンラインショップや楽天市場、Yahoo!ショッピング、各地の取扱店でも購入できます。

盛岡まで足を運ぶのが難しい場合でも、通販を利用すれば、自宅であさ開の味わいを楽しめます。


南部藩士だった村井源三が、武士から酒造家へと新たな道を選んだことから始まった、あさ開の歩み。

「あさ開」という名前には、朝の船出とともに、新しい時代へ踏み出した創業者の思いが重ねられています。

山田錦、結の香、吟ぎんがと、使われる酒米に目を向けてみると、同じ酒蔵が醸す純米大吟醸にも、それぞれ異なる表情があることに気づきます。

盛岡を訪れる機会があれば、酒蔵の空気に触れながら、自分の好みに合う「あさ開」を探してみるのもよいでしょう。

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