岩手県盛岡市にある赤武酒造は、代表銘柄「AKABU」と「浜娘」を手がける酒蔵です。
1896年に大槌町で創業し、長く地域の地酒として「浜娘」を造り続けてきました。
東日本大震災では酒蔵が大きな被害を受けましたが、その後、盛岡市に新しい蔵を構え、若い蔵人たちを中心に酒造りを再開しています。
現在の赤武酒造を象徴する「AKABU」は、果実を思わせる香りや透明感のある味わいで知られる一方、「浜娘」は創業地・大槌町から受け継がれてきた歴史ある銘柄です。
この記事では、赤武酒造の基本情報や大槌町から盛岡市へつながる歩み、酒造りの特徴、代表銘柄「AKABU」「浜娘」、見学・購入方法について紹介します。
赤武酒造の基本情報
赤武酒造株式会社は、岩手県盛岡市に蔵を構え、「AKABU」と「浜娘」を手がける酒蔵です。
「赤武酒造」は会社名・酒蔵名、「AKABU」と「浜娘」は日本酒の銘柄名として整理するとわかりやすいでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 酒蔵名 | 赤武酒造株式会社 |
| 読み方 | あかぶしゅぞう |
| 所在地 | 岩手県盛岡市北飯岡1丁目8番60号 |
| 創業 | 1896年(明治29年) |
| 創業地 | 岩手県上閉伊郡大槌町 |
| 代表銘柄 | AKABU、浜娘 |
| 主な特徴 | 東日本大震災後に盛岡市で酒造りを再開し、若い蔵人を中心としたチームで日本酒を醸造 |
| 蔵見学 | 一般向けの見学は行っていない |
| 蔵での販売 | 行っていない |
赤武酒造は、もともと岩手県沿岸部の大槌町で酒造りを続けてきました。
東日本大震災による被災を経て、現在は盛岡市北飯岡に蔵を構えています。
赤武酒造と代表銘柄「AKABU」「浜娘」
赤武酒造が手がける主な銘柄は、「AKABU」と「浜娘」です。
国税庁の酒蔵マップには「赤武」と掲載されていますが、現在の商品ブランドでは、ローマ字の「AKABU」が使われています。
赤い武者兜を描いたラベルが印象的で、純米酒や純米吟醸酒をはじめ、季節ごとに異なる日本酒も展開されています。
「AKABU」が盛岡市の蔵で始まった現在の赤武酒造を象徴するブランドであるのに対し、「浜娘」は大槌町時代から受け継がれてきた銘柄です。
現在も岩手県限定蔵出しの商品として造られており、創業地とのつながりを残しています。
盛岡市で生まれた「AKABU」と、大槌町から続く「浜娘」。
異なる背景を持つ二つの銘柄をたどることで、赤武酒造が歩んできた歴史と現在の姿が見えてきます。
大槌町で始まった赤武酒造の歴史
赤武酒造は、1896年(明治29年)に岩手県上閉伊郡大槌町で創業しました。
酒蔵があったのは、三陸沿岸に位置する赤浜地区です。
海とともに暮らす人々の生活に近い場所で、赤武酒造は地域の地酒として「浜娘」を醸してきました。
酒蔵名の「赤武」は、創業地・赤浜の「赤」と、創業者である古舘武兵衛の「武」を組み合わせたものとされています。
土地の名と創業者の名を受け継いだ呼び名からも、大槌町で始まった酒蔵の歩みがうかがえます。
その後も赤武酒造は、大槌町に根ざしながら酒造りを続けてきました。
地域の暮らしとともに受け継がれてきた時間は、現在の赤武酒造へつながる大切な土台となっています。
東日本大震災を経て盛岡市に建てられた復活蔵
2011年3月11日に発生した東日本大震災により、赤武酒造は大槌町にあった酒蔵や設備を失いました。
長く酒造りを続けてきた場所が大きな被害を受けるなか、赤武酒造は地域の人々や関係者の支援を受けながら、再び酒を造る道を歩み始めます。
同年の秋には、盛岡市にある桜顔酒造の協力を得て「浜娘」の醸造を再開し、自社蔵を失った状況でも酒造りを途絶えさせることはありませんでした。
その後、2013年には盛岡市北飯岡に新しい酒蔵を建設し、「復活蔵」と呼ばれるこの場所で、自社による酒造りを再開しました。
新しい蔵は、震災前の設備をそのまま再現したものではありません。
作業時の負担を減らす動線や、温度管理を行いやすい設備を取り入れ、これからの酒造りを見据えた環境が整えられています。
大槌町で積み重ねてきた歩みを受け継ぎながら、盛岡市で新たな一歩を踏み出した赤武酒造。
復活蔵は、失われた酒蔵の代わりではなく、現在の酒造りへつながる新しい出発点となりました。
若い蔵人たちが取り組む赤武酒造の酒造り
盛岡市の復活蔵では、若い世代の蔵人たちを中心に酒造りが行われています。その中心を担っているのが、古舘龍之介氏です。
古舘氏は東京農業大学で醸造を学び、卒業後に赤武酒造へ入りました。
新しい蔵では、酒造りの経験が浅い若い蔵人たちとともに、一からチームを築いていきます。
新しい蔵と若いチームでの酒造りに向き合い、温度や時間を細かく確認しながら、一つひとつの工程を積み重ねていくことが現在の酒造りの特徴です。
こうした試行錯誤のなかから、赤武酒造を代表する「AKABU」が生まれました。
大槌町で育まれた歴史を大切にしつつ、新しい蔵とチームだからこそ生み出せる、今の時代に楽しんでもらえる日本酒を目指す。
その姿勢が、現在の赤武酒造の酒造りに表れています。
代表銘柄「AKABU」と主な日本酒
赤武酒造では、純米酒や純米吟醸酒、季節限定酒など、さまざまな日本酒を手がけています。
ここでは、定番として親しまれている「AKABU 純米酒」と「AKABU 純米吟醸」、大槌町時代から受け継がれてきた「浜娘 純米酒」の三本を紹介します。
AKABU 純米酒
「AKABU 純米酒」は、AKABUブランドの基本となる一本です。
精米歩合は60%。米のやわらかな旨みを感じられる味わいに、柑橘類を思わせる爽やかな酸味が重なります。
口に含んだあとは軽やかな余韻が続き、酒だけで味わうのはもちろん、食事とともに楽しみやすい純米酒です。
刺身や焼き魚、鶏肉を使った料理など、素材の味を生かした料理と合わせると、日本酒の旨みや酸味を感じやすくなるでしょう。
冷酒から少し温度を上げた状態まで、料理や好みに合わせて楽しめます。
AKABU 純米吟醸
「AKABU 純米吟醸」は、果実を思わせる香りと、すっきりとした飲み口を楽しめる一本です。
精米歩合は50%。フレッシュで華やかな香りを持ちながら、米の旨みも感じられるように仕上げられています。
香りだけが強く残るのではなく、甘みや酸味がまとまり、軽快な後味へつながることも特徴です。
白身魚の刺身やカルパッチョ、塩味を生かした料理など、繊細な味わいの料理と合わせやすいでしょう。
よく冷やしてワイングラスなどに注ぐと、香りも感じ取りやすくなります。
浜娘 純米酒
「浜娘 純米酒」は、赤武酒造が大槌町時代から受け継いできた銘柄です。
現在は岩手県限定蔵出しの商品として造られており、精米歩合は60%。
やさしく芳醇な香りと心地よい甘みがあり、後味には爽やかさが感じられます。
創業地とのつながりを残しながら、現在も造り続けられている一本で、やわらかな味わいを生かし、冷酒でゆっくり楽しみたい純米酒です。
赤武酒造の見学・購入方法
赤武酒造では、少人数で酒造りを行っているため、一般向けの蔵見学は実施していません。
また、蔵での日本酒の小売販売も行われていません。
「AKABU」を購入する場合は、正規取扱酒販店や地域の酒販店、通販サイトなどを利用することになります。
「AKABU 純米酒」や「AKABU 純米吟醸」は、楽天市場をはじめとする通販サイトで取り扱われている場合があります。
一方、「浜娘 純米酒」は岩手県限定蔵出しの銘柄です。
購入を希望する場合は、岩手県内の酒販店や取扱店を確認するとよいでしょう。
商品や在庫状況は店舗によって異なるため、購入前に各酒販店の案内を確認してください。
まとめ
盛岡市で造られる「AKABU」と、大槌町から受け継がれてきた「浜娘」。
二つの銘柄には、赤武酒造が歩んできた異なる時間が重なっています。
華やかな香りや透明感のある味わいに惹かれて「AKABU」を手に取るときも、岩手県内で「浜娘」に出会ったときも、その背景には土地を越えてつながれてきた酒造りがあります。
一本の日本酒を味わいながら、そこに込められた歩みにも思いを向けてみると、赤武酒造の酒が少し違って感じられるかもしれません。






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