竹浪酒造店|板柳町へ戻った青森最古の酒蔵と「岩木正宗」「七郎兵衛」を紹介

岩木正宗の文字 青森県の酒蔵

青森県北津軽郡板柳町にある竹浪酒造店。

代表銘柄として知られる「岩木正宗」と「七郎兵衛」は、津軽の風土とともに育まれてきた青森の地酒です。

竹浪酒造店は、江戸初期から続く酒造りの歴史を持ち、近年の事業継承を経て、2024年に創業の地である板柳町へ酒蔵を戻しました。

現在は、米の旨みを生かした純米酒を中心に、熟成と燗酒を大切にする酒造りを続けています。

この記事では、竹浪酒造店の基本情報や歴史、板柳町へ戻るまでの歩み、酒造りの特徴、代表銘柄「岩木正宗」「七郎兵衛」、直売所や購入方法について紹介します。


竹浪酒造店は、青森県北津軽郡板柳町にある日本酒の酒蔵です。

代表銘柄として知られているのが、「岩木正宗」と「七郎兵衛」です。

「竹浪酒造店」は会社名・酒蔵名、「岩木正宗」と「七郎兵衛」は日本酒の銘柄名として整理するとわかりやすいでしょう。

項目内容
酒蔵名株式会社竹浪酒造店
読み方たけなみしゅぞうてん
所在地青森県北津軽郡板柳町大字板柳字土井113-1
酒造りの始まり江戸初期の正保年間、1645年前後と伝わる
代表銘柄岩木正宗、七郎兵衛
主な特徴全量純米酒、熟成、燗酒を大切にした酒造り
主な施設蔵元直売所

現在の株式会社竹浪酒造店は、旧会社から銘柄や酒造りを引き継ぎ、2020年に再出発した会社です。

板柳町を拠点に、津軽の米や水を生かした純米酒造りを続けています。


竹浪酒造店を知るうえで、まず押さえておきたいのが「岩木正宗」と「七郎兵衛」です。

どちらも竹浪酒造店を代表する日本酒ですが、名前に込められた背景は異なります。

「岩木正宗」は、津軽平野から望む岩木山にちなんだ銘柄です。

竹浪酒造店では、かつて「老松」と「岩木正宗」という銘柄が使われており、その後、「岩木正宗」が酒蔵を代表する名前として受け継がれてきました。

一方の「七郎兵衛」は、竹浪家の当主が代々襲名してきた名前に由来します。

近代に入って襲名は行われなくなりましたが、その名は日本酒の銘柄として残され、竹浪家と酒蔵の歩みを伝えています。

ラベルには、竹浪家の家紋をもとにした意匠も使われています。

津軽の土地とのつながりを表す「岩木正宗」と、蔵元の家名を受け継ぐ「七郎兵衛」。

この二つの銘柄は、それぞれ異なる形で竹浪酒造店の歴史を映しています。


竹浪酒造店の酒造りは、江戸初期の正保年間、1645年前後に始まったと伝えられています。

竹浪家の先祖は越前敦賀から津軽へ渡り、十三湊を経て岩木川をさかのぼり、現在の板柳町にあたる板屋野木村で酒造りを始めたとされています。

当時の板屋野木村は、岩木川の水運によって米や物資が集まる地域でした。

人や物が行き交う土地で、竹浪家は酒造りを続け、「老松」や「岩木正宗」といった銘柄を手がけてきました。

公式サイトでは、竹浪酒造店を370年以上の歴史を持つ青森県最古の酒造と紹介しています。

板柳町で長く続いてきた酒造りは、近年の大きな転機を経ながらも、銘柄や技術とともに次の体制へ引き継がれていきました。


竹浪酒造店は、近年に大きな転機を迎えています。

2019年、酒蔵は長く拠点としてきた板柳町から、つがる市へ移転しました。

しかし、翌2020年に旧会社が破産し、竹浪酒造店の酒造りは存続の岐路に立たされます。

その後、外部からの出資を受けて新たに株式会社竹浪酒造店が設立され、銘柄や酒造りの技術は新会社へ引き継がれました。

17代目の竹浪令晃さんも杜氏として酒造りに携わり、「岩木正宗」や「七郎兵衛」をはじめとする竹浪酒造店の酒を造り続けています。

さらに2024年には、酒蔵をつがる市から創業の地である板柳町へ移しました。

現在の竹浪酒造店は、受け継いだ銘柄と技術を大切にしながら、創業の地で新たな歩みを進めています。


竹浪酒造店の酒造りを語るうえで欠かせないのが、熟成と燗酒です。

現在は全量純米酒を基本とし、米の旨みをしっかり感じられる酒を目指しています。

華やかな香りを前面に出すというよりも、味わいに厚みがあり、食事とともに飲み続けやすい酒であることを大切にしています。


全量純米酒と熟成

竹浪酒造店では、造った酒をすぐに出荷するのではなく、蔵内で熟成させています。

時間をかけて寝かせることで、新酒の荒々しさが落ち着き、味わいに丸みやまろやかさが生まれます。

また、酒の色を取り除く処理を行わず、本来の風味を残しているため、一般的な日本酒よりも色が濃く見えることがあります。

この色合いも、熟成を重ねた竹浪酒造店の酒らしさのひとつです。


「燗酒専心」の酒造り

竹浪酒造店が掲げているのが、「燗酒専心」という考え方です。

日本酒を温めると、米の旨みや香りが開き、冷酒とは異なる表情が現れます。

熱燗だけでなく、ぬる燗や上燗、燗が冷めていく途中の変化まで楽しめるように造られていることも特徴です。


津軽の米と岩木山の水

仕込みには、岩木山の伏流水を使用しています。

原料には津軽平野で育った米を中心に使い、土地の恵みを生かした純米酒造りを続けています。

岩木山は「岩木正宗」の名にもつながる存在であり、水と銘柄の両面から竹浪酒造店の酒造りを支えています。


手仕事を大切にした工程

竹浪酒造店では、米洗いから麹造り、醪造り、上槽まで、手作業を大切にしながら酒造りを行っています。

一つひとつの工程に向き合う丁寧な仕事が、熟成によるまろやかさと、燗にしたときに広がる厚みのある味わいにつながっています。


竹浪酒造店では、「岩木正宗」と「七郎兵衛」を中心に、使用米や精米歩合、熟成期間の異なる日本酒を造っています。

ここでは、それぞれの銘柄の特徴を紹介します。


岩木正宗

「岩木正宗」には、純米酒や特別純米酒、原酒などがあります。

穏やかな香りと米の旨みを感じられる酒が多く、ぬる燗や上燗にすると、熟成によるやわらかな味わいが広がります。

商品によって酒質は異なりますが、食事とともにじっくり楽しみやすい銘柄です。


七郎兵衛

「七郎兵衛」も、竹浪酒造店が大切にする熟成と燗酒の魅力を感じられる銘柄です。

使用する米や造りは商品ごとに異なりますが、温めることで旨みが引き出され、食事と合わせやすい表情が現れます。

竹浪酒造店の商品は、製造時期や熟成の状況によって取り扱いが変わることがあります。

購入するときは、公式オンラインショップや取扱店で、その時期に販売されている商品を確認するとよいでしょう。


竹浪酒造店では、板柳町にある蔵元直売所や公式オンラインショップなどを通じて、日本酒を購入できます。


蔵元直売所

酒蔵には蔵元直売所があり、「岩木正宗」や「七郎兵衛」をはじめ、その時期に販売されている商品を選ぶことができます。

公式サイトでは、通常の営業時間を平日の9時から17時までと案内しており、土曜日・日曜日・祝日は休業日です。


酒蔵見学

竹浪酒造店では、時期を限定して酒蔵見学を受け付けることがあります。

常時自由に見学できる施設ではなく、事前の問い合わせや予約が必要です。

酒造りの時期や蔵内の作業、設備の状況によっては、見学できない場合もあります。


オンラインショップと取扱店

竹浪酒造店の日本酒は、公式オンラインショップからも購入できます。

定番酒のほか、原酒や熟成酒などが販売されることもあり、商品は時期によって入れ替わります。

また、青森県内外の酒販店でも取り扱われていますが、「岩木正宗」と「七郎兵衛」では流通先が異なる場合があります。

営業時間や見学の受付状況、商品の取り扱いは変更されることがあります。

訪問や購入の前に、公式サイトで最新情報を確認してください。


一度は存続の岐路に立ちながらも、竹浪酒造店の銘柄と酒造りは新しい体制へつながれ、現在は創業の地である板柳町で再び酒が醸されています。

そこには、昔ながらの形をそのまま残すのではなく、大切なものを選び取りながら次の時代へ進もうとする酒蔵の姿があります。

「岩木正宗」や「七郎兵衛」を味わう機会があれば、冷酒だけでなく、ぬる燗や上燗でも試してみたくなるところです。

温度とともに香りや旨みが変わっていく一杯から、津軽の風土と竹浪酒造店が重ねてきた時間が、静かに伝わってきそうです。

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